た部(「某社タブレット部」の略)

主に購入したタブレットのコメントやメモを書いていきますよ。

【ROOT CHUWI Hi9 Plus】文鎮づくりの名手【回復】

先日「タブレットの高速化を検証するのは時間の無駄」と書きましたが、ひょっとしてsEFixを入れたらレスポンスが速くなるのではないか、と思いHi9 Plusのrootを取得しようと試みました。

以下、あまり役に立つ情報ではないかも知れませんが、日本語の記事が少ない事もあり、概略をまとめておきます。なお今回はリンクを貼りません。下記の通りリスクが大きくあまりおススメできないからです。

公式Root ROM

公式でRoot ROMが出ています。最初にこれを試しました。
Hi9 PlusにROMを焼くにはSP Flash Toolを使います。SP Flash ToolはMediaTekのSOCを搭載したマシンなら割と汎用的に使えるROM焼きツールです。

覚え書きとして簡単に手順を書きます。

  1. PCにVCOMドライバやツールを入れる。(端末をつないでPCとの接続を確認)
  2. 焼きたいROMをPCにダウンロードする。
  3. 端末の方は開発者オプションからOEMロック解除とUSBデバッグをonにする。
  4. PC上のSP Flash Toolで焼きたいROMを指定して「ダウンロード」(焼き込み)ボタンを押す。(この時点では端末をつながないで先にボタンを押しておく)
  5. 電源をoffにした端末をつなぐ。(電源はoff。重要)

上記の「1」ドライバのインストールとROMの取得が一番面倒です。ここで使うドライバは「MTK+Android+Driver+All-in-One」を探してきてダブルクリックで大丈夫っぽいですが、他にも色々やったので定かではないです。ともかく一度PCと端末が正しくつながれば後は簡単です。

結果

公式のRoot ROMは些か古くペンの筆圧が無くなりました。
反面、webのスクロールは比較的レスポンスがいいです。早速sEFixを導入してみました。思った通り乱数資源が少なかったですが、増やしたからといってフリックのレスポンスが明らかに良くなったという印象はありませんでした。やはり古いandroidでないと効果は無いのかも知れません。
残念ながらこのROMから最新のROMにOTA更新はされなかった、すなわちペンが使えないので、早々に元に戻す事にしました。しかし今振り返るとRoot権限を取得した状態の間にCPUの設定を見ておけばよかったです。 

最初の文鎮制作

上記の通り公式Rootではペンが使えない為、早々に通常のROMに戻そうと考えました。
初回にゲットしたROMは「Latest(最新)」と銘打たれているものの実際は些か古かったようでペンが使えずOTA更新もされませんでした。その後散々探して新しそうなROMを入手したので、そちらを焼いてみようとしました。

ここで注意事項です。
推奨オプションで焼いた場合、データや設定はすべて消えます。
開発者オプションから再度OEMロック解除やUSBデバッグをセットする必要があるようです。またPCに接続する際、ScreenDimなどの画面の上に描画する権限を要求するアプリが有効だとUSBデバッグで上手く接続できないようです。

そして私は文鎮を作りました。
二度目のROM焼きで上記の手順に漏れがありました。その為Sp Flash Toolを「焼き込み」状態にしたPCと接続したところ「焼き込み」が開始されず「ち、しょうがないな」と焼き込みを中断して端末を外しました。通常であれば焼き込みを中断したSp Flash Toolはすぐに動作を終了するのですが、今回は動作終了しません。この時点で端末をPCにつなぎ直せば、あるいは助かったのかも知れません。しかし賢い私はSp Flash Toolをタスクマネージャーから強制的に終了させてしまいました。

中途半端な状態で中断されたHi9 Plusは見事に文鎮になりました。音量マイナス+電源ボタン、その他の技も効き目がなく、PCにつないでも「ぱんぽろりん?(迫真)」という接続音も鳴りません。確か当時(妻には内緒で)3.7万出して購入した端末が只の黒い板、何かの重しとしてしか使い道のない只の板に変った心の痛み、そして後ろめたさを分かって頂けますでしょうか。

おそらく完全に電源が切れれば正しいROMを焼き直す事ができます。しかしおそらく見た目は画面が黒いですが、真の電源offではない不思議な状態で固まっているような状態だったと推測します。

回復

それからしばらく、心の中ではお葬式状態でした。回復したからといってHi9 Plusはミドルローと大差ない微妙な性能であり「やった、うれしい!」とはなりませんが、とはいえ自分のミスで使えたものが使えなくなったというのはショックが大きいです。

2日ほど放置した後、諦めきれずにPCと接続したところ、なんと暁光が見えました。黒い画面に電池のマークが表示されたのです。すなわち「充電しますよ」のマークです。これは、裏を返せば完全に電源が切れている事を示しています。尚電池の残量は1%でした。

「イケる!」そう判断した私はある程度充電した後にROM焼きを試してみました。結果、ずんずんデータが端末に注入されていくではありませんか!

こうして電池切れのお陰で完全に電源が切れた端末に無事新しいROMを焼き込む事ができました。

二度目の文鎮制作

新しいROMは具合が良かったです。更にOTA更新も来ました。
以前記事に書いた、 手を入れる前の素のROMは、更新したらペンが使えるようになったというメリットはありましたが、例えば「電池」の項目が「ユーザー」になったり、「ネットワーク」が「%1%」のような謎の表記になるなど非常に胡散臭い点もありました。また電池の消費も相変わらず早めでした。

新しいROMの方はそうした問題もなく、総じて諸々改善されているようです。webページのフリックの際のレスポンスやスクロールの滑らかさも「ミドルローよりはちょっと上かな?」くらいに改善されているように見えます。

言うまでもなく、ここでやめておけばよかったのです。
しかしやはりRootを取得したい私は別のネタを仕入れました。

「現在主流のRoot取得法はTWRPを導入してMagisk(またはSuperSU)をインストールする事である」

先程はSP Flash Toolを使いROM丸ごと入れ替えました。比較的簡単です。
今回はADB(アンドロイド・デバッグ・ブリッジ)を介して、リカバリー部分をTWRPと入れ替えるという作業になります。

リカバリーはOSとBIOSを仲介するようなポジションのソフトウェアであり、標準の物からTWRPに入れ替えると、現在のROMのバックアップを取ったり、不具合があった時に書き戻したりできる便利なもののようです。これを導入したら、普通は書き換えできない領域を書き換えできるようになり、SuperSu等を容易に導入できる、というわけです。

難点

ADBを介してPCと端末をつなぐには「署名なしのドライバ」をPCにインストールできるようにPCのBIOSのセキュリティを一時切る必要があるようです。結構面倒だし覚悟が必要です。

結果

無事にPCと端末を接続してTWRPを焼く事ができました。
しかしその直後に問題が発生しました。
端末を起動するとロゴ画面に小さい文字で「orange state このブートローダーはちょっと信用できないですね。まあ仕方ないから5秒後に起動しますわ」とのメッセージが出ます。そこまではまあいいです。しかしその後いくら待っても起動が開始されないようになったのが問題です。

結局ROMにおける「最新(最新とは限らない)」と同様TWRPも「Hi9 Plus用(そのROMバージョンに適応しているとは言っていない)」があるようで、外人さん達も「オレンジステート、オレンジステートォ」と言っていました。(オレンジステートそのものは問題なく、その後に起動しないのが問題)

そして例によって電源が入っているのかいないのか分からない状態の黒画面です。電源ボタンを12~16秒ほど押し続けると黒画面から起動画面に遷移しますが、いつのタイミングで電源が切れているのか判然としません。タイミング次第で電源が切れる→再起動開始(黒画面)となるので、割ともうどうしようもないです。PCに接続しても「ぱんぽろりん?(迫真)」とか鳴りません。

つまりHi9 PlusのRoot取得で、何が問題かというと、適切なバージョンのROMなりTWRPなりを入手するのが少々難しく間違うと手に負えなくなる可能性が多分にあるという事です。もう少し時間が経過して練れてくるとそうした情報も安定するのでしょうが、現状は上記のように本体のROMが混乱した状態なので、適切な情報(適切なTWRP)を入手するのが少々難しく危険な賭けになってしまうようです。

回復

当然「また電池が切れるまで待たないといけないのか」と思いました。が、ついつい諦め悪くPCに接続してみたところ、起動直前と直後の刹那なら、何故かPCと接続できることが判明。

早速SP Flash ToolでゼロからROMを焼く事にしました。今回は推奨されているdownloadではなく「パーテーションから全部フォーマットして焼き込み」を選びました。

初回は途中でコケましたが、ともかく焼き始める事ができました。そして途中でコケたので「中断」して(この時点で、おそらくリカバリーは標準の物に戻っているのでもはやTWRP由来の障害は排除されたと推察)、再度焼き込んでみたら、次は最後まで無事に焼き込めました。

SP Flash Toolは端末の電源がoffでないと使えないわけですが、タイミングよく(肉眼では判別しようのない)刹那のoffのタイミングを捉えて焼き始めてくれたので、すんでのところで助かった、というわけです。

まとめ

・現状のHi9 Plus用のTWRP事情は少々危険な印象。
・適切なバージョンをゲットできたかどうかは焼いてみるまでは分からない。
・だがしかし結果としてROMの文字化け等が解消されたのでそれは良かった。

最近のタブレットはOSもハードも良い感じになってきたので、リスクを冒してまでもRootを取得するメリットは薄いとは思います。しかしTitanium Backupが使えるようになる事と、もしかしたら遅さの原因を解消できるかも知れない可能性が開ける事を考えると、可能であればHi9 PlusについてはRoot権限を取得したい所ではあります。

でも当面はやらないようにしたいです(戒め)。