た部(「某社タブレット部」の略)

主に購入したタブレットのコメントやメモを書いていきますよ。

【微妙】CHUWI Hi9 plus ファームアップデートでペンの不具合解消

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CHUWI Hi9plus

昨年購入して、まともにペンが使えない事が分かり長い間寝かせておいたCHUWI Hi9 plusですが、この度二度目のアップデートでペンの不具合が解消されました。

ファームの履歴概要

購入時:
 ・ペンの筆圧を感知していない。替わりに指圧の面積が検出される。
 ・ペンでの操作はスムーズだが指での操作の反応はかなり悪い。

前回のアップデート:
 ・指での操作の反応はマシになった。(速いとまでは言えない)
 ・ペンの筆圧感知の不具合は解消されず。

今回のアップデート:
 ペンがペンと認識され、普通に各種アプリで筆圧が使えるようになった。

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各アプリにてスタイラス用の設定が出現/またはPen only modeを有効にしてもペンが使えるようになった

今回の改善の結果、画面に指を置いても、もはや意図しない線が誤爆で描かれる事が無くなりました。線を描くのはペンのみ、指は画面のパンや拡大縮小、ツール切り替えなどに使えます。

すごく描き易いです!
手の接触を避けるため、変な手袋をはめる必要もないし、指で画面を自由自在に動かせます。この操作性は最高です。

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指で画面に触れても大丈夫。ちなみに画面はConcepts。左親指でツールを操作できるのですごく使い易い。

ただしFree Young X7では各種お絵かきアプリにホバーカーソルが出るのに対して、本機は何故かホバーがサポートされておりません。パームリジェクションはFree Young X7と同様9mmです。とはいえこちらは上述の通りオプションで「ペンオンリー」にできるので、格段に使い勝手は向上しています。

スキャン速度

Stylusisというアプリでスキャン速度を計測したところ、以下が分かりました。

Hi9 plus:スタイラスは180fps前後、指は60fps弱
Free Young X7:指(スタイラス)は180fps前後、指(本物)は60fps弱

どちらも同じように、スタイラスは指の3倍の速度でスキャンされています。

*Free Young X7はスタイラスを画面に接すると3倍のスキャン測度に切り替わるにも関わらず
 不思議な事に「それは指」と判断されます。専用ペンがあれば違うのかも知れませんが、
 専用ペンは売っていないのが残念です。

本機の体感上の速度

が、唯一最大の問題点として、本機は遅いです。
Free Young X7は旧Antutuで約4万、本機はカタログスペックでは10万のはずですが、同じく10万のmi max3と違い、約4万のミドルローと大して変わりない挙動です。元々本機に搭載されたHelio X27は「言うほど速くない」「むしろHelio X25の方が速い、まである」と言われていたのですが、まさにその通りの結果です。

 具体的には特に以下で重さを感じます。
・webページのスクロール
・お絵かきツールでのお絵かき

webページ

webページはgoogle検索で「ガンダム」と入力すると分かり易いです。動画や静止画のカルーセルが異常に多いので、いいベンチになります。(yahoo検索だと画像が減らされていて軽くなっているのでgoogle検索がいいです)

chromeだとツルツル指が滑るくらい反応が鈍いので、もう少し速いXbrowserを入れましたが、まだ厳しい感じなので最後の手段としてUCbrowser miniを入れました。

お絵かきツール

お絵かきツールに関してはFree Young X7と同じか、少々重い印象すらあります。線を描いている時には気付きにくいですが、字を書いてみると重さが分かり易いです。ちなみにお絵かきアプリの速さ順は以下のようになります。

 ArtFlow:最速。字が書ける。
 Concepts:これも字が書ける。
 Autodesk SketchBook:意外にも悪くない速度感(後述)
 LayerPaintHD:鉛筆とペンで速さが違う。ペンは1文字ずつ待たないといけない。
 MediBang Paint:この辺りになると、1文字ずつ待たないと厳しい。
 Infinite Painter:無理。

Autodesk SketchBookは他のレビューでは「遅い。実用にならない」と書かれていました。私もそう思ったのですが、ここで意外な現象が発生しました。更新後「やはり使い物にならない」と思い、2週間ほどスリープ状態で放置しておいたところ、Androidにはよくある事ですが速度が速くなっていました。意外と悪くないスピード感です。

また今回Infinite Painterの重さに愕然としたため改めてFree Young X7でも確認しましたが、同様に重くなっており、もしかしたらInfinite Painterについては更新で重くなったのかも知れません。ちなみにこのアプリで文字を書くのは厳しいですが、絵を描く時はそこまで辛くないと思います。

「買い」か?

お薦めできません。
先日ipad9.7の実機を触りましたが速度が段違いです。本機を買うくらいなら、あと少しだけ予算を出してipad9.7を買った方がいいです。

タブレットを少しでも速く動かす方法を調べたり検証するくらいなら、速いハードを買ってもっとクリエイティブな事に時間を使った方が遥かに有意義だと実感しました。価格差はペンを含めてもせいぜい1~2万くらいです。肉体労働1~2日分くらいの価格差です。その差が後々までの創作活動に相当に大きく響く事を考えると敢えて本機を買うのはちょっとないな、と思いました。

このipad9.7はwifiにつながっていたので「ガンダム」ベンチもやってみました。もう「私のような物乞いが貴族である貴方様と競い合うような恥知らずな真似をして誠に申し訳ありませんでした」というレベルの差があります。ipad9.7は昔のOpera並みに滑らかでした。

「昔のopera」とは?
 昔のoperaは読み込んだページを一度巨大な一枚の画像に変換して表示するような手法を取っていました。
 そうすると不具合もあるのですが、昔の非力なタブレットでも妙に滑らかなスクロール具合を実現できて
 いました。いまはchromiumベースの「普通のブラウザ」になってしまい、この長所は無くなってしまい
 ました。

つまり普段使いでも本機に選択の意義を見出すのが厳しい印象です。一方ipad9.7+applepencilにも悩ましい点はあります。それは替え芯です。

applepencilの替え芯は単なるプラスチックではなく、金属の芯が入っており、表面のプラスチックの厚みは0.5mmしかないようです。そんな厚みでは一瞬で擦り減ります。そんな替え芯の価格は1本約500円。厳しい。おそらく現状のipadの仕様を踏まえた上でのベストなペン体験を追求した結果こうなったのであり、別にぼったくり価格だとは思いませんが、芯を度々変えるのは面倒だし、その替え芯もお安くないとなると少々悩ましい所です。

あと個人的にはipadのホーム画面が無理です。
下図の通りです。一生押さないであろうアイコンが多数並んでいる状態を解消できないかと思うと少々クリエイティビティに欠けるような気がします。

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左:一般的なipadの画面 右:androidスマホの画面

ただアクセサリ込みでの価格差が1.5万程度しかない中で、本機を選ぶくらいなら割り切って低価格機を買うか(体感速度に大差ない)、替え芯の件を覚悟してipad9.7を選んだ方が遥かに幸せになれるのでは、というのが正直なところです。

私自身は既にもう本機を持っているので、まあボチボチ使っていこうかな、とは思っています。本機は今年9月頃にandroid9にバージョンアップする予定があるとは聞いているので、もしかしたらその内急にドライバが改善されて覚醒するかも知れませんし。

この機種に限らず、どうもHelio X27を採用した機種はどれもベンチの値が高い割りにスクロールが重く満足感が高くないようなので、Helio X27搭載機種は購入の際に注意が必要だと思います。