た部(「某社タブレット部」の略)

主に購入したタブレットのコメントやメモを書いていきますよ。

ALLDOCUBE Free Young X7【低コスト帯で唯一のandroidお絵かきタブ(2019年1月現在)】

ALLDOCUBE Free Young X7(別名:酷比魔方 T10 Plus)

ALLDOCUBE Free Young X7(別名:酷比魔方 T10 Plus)

ここまでのあらすじ

かねてより「落書き用にタブレットが欲しい」と思い、1年前にWinタブを購入。
しかしWinタブは以下の理由で「気軽にお絵かき」が堪能できなかったです。

Androidと比較して高いスペックが必要→アツゥーイ&電池がすぐなくなる。
Microsoftストアが量/使い勝手共に残念(アプリがなければどうしようもない)
・久しぶりに使おうとしたら、まず30分は更新で待たされる
・UIがタッチ操作に向いていない
・かといってダイアログが画面から切れてしまうので結局画面を拡大して使えない

在りし日のWinタブさんとWacomペン

在りし日のWinタブさんとWacomペン。Winはやっぱりマウスとキーボードが無いと使いにくさMAXですね。

いやホントにMicroshoftさんはもう少し色々考えた方がいいとは思いますが、それはそれとして「タブで自由かつ気楽にお絵かきしたい」という気持ちが拭いきれない私は、それからほぼ1年経った昨年末に、新製品であるCHUWI Hi9 Plus(Helio X27搭載、Antutu10万越えの高スペックタブ!)を専用ペンと共に購入。コイツがペンからの「筆圧」情報を「指圧(画面に押しつけた指の面積)」として認識するナイスガイであり、特定の2アプリしか対応していなかった為、落胆。

CHUWI Hi9 Plus

在りし日のHi9 Plusさん+Hipen H3。直接続のキーボードは案外打ちやすく、筆圧が無い以外は素晴らしいタブレットだった。

「色々なアプリで思うままに筆圧を堪能したい」、そう思い、少し型は古いが既に複数アプリ対応の実績が明らかになっている本機を急遽ゲットするに至りました。

本記事では「少し型が古い」本機がどれくらいお絵かきで使えるかを書いてゆきます。(先に結論を書いてしまうと、かなりお絵かきを堪能できています)

基礎情報

androidは6.0 Marshmallowです。
ざっくりandroidの歴史を振り返ると以下のようになります。

・4までは逐次コンパイル形式(dalvik)でアプリの起動がモッサリしがち
・5から一括コンパイル形式(art)になり基礎的な挙動が安定&高速化
・6からdozeモード搭載(使っていないアプリが眠る)となっています。

ALLDOCUBE Free Young X7 ナウなヤングのフリーダムなタブレットだ

ALLDOCUBE Free Young X7 ナウなヤングのフリーダムなタブレット

本機のOSは最新ではないですが、ひとまず昔のandroidと比較するとrootを取得せずとも普通に使えるレベルなので(昔のandroidを知っている者としては)不満は少ないです。

Antutu7スコアは4.8万、メモリは3ギガ、タッチパネルのガラスは外国の資料によるとドラゴントレイル(日本製のゴリラガラス的な強化ガラス)のようです。

お値段は通常2.2万くらい、セール時にはもっとお安く買えます。

ペンについて

まず最初に書いておくべき事として、CHUWI Hipen H3がそのまま使えます。
Hipen H3はアマゾンでも割と普通の値段で売っているし、電池一本で10ヶ月もつと言われているナイスなペンです。私はHi9 Plusとセット購入した物を使っています。

CHUWI Hipen H3

CHUWI Hipen H3

さて、本機はワコムのPC用ペンタブなどに使用されているEMR(電磁誘導方式)ではなく、最近流行りのAES(静電容量方式)のようです。

EMR(電磁誘導式)の長所と短所

・電池不要
・磁石の影響を受ける(例えばカバーの磁力が及ぶ範囲が描けなくなる)
・タッチパネルに受信コイルが必要になる分、微妙に厚みやコストが増える
・画面端に行くにつれて誤差が大きくなる傾向がある半面、線は綺麗に描ける

AES(静電容量方式)の長所と短所

・電池が必要
・磁石の影響を受けない、タッチパネルの構造がシンプルになる
・画面端でも誤差は均等。しかしゆっくり線を引いた際にガタガタになりがち

では実際の本機Free Young X7ではどうでしょう?
アプリによって多少具合が違いますが、AESなのでゆっくり線を引くと細かくガタガタになります。塗りの時は補正を切り、線画の時は補正を入れると割と実用的に使えると思います。

ライン検証

ライン検証

ペンの位置判定はペン先ではなく少し上の部分にあるので、例えば右持ちの場合はカーソルがペン先の右下に出ます。左持ちの場合は左下に出ます。

ペン先

ペン先を画面に接触させた状態。カーソルがペン先の右下に出ているのが確認できる

残念ながらこのズレはOSレベルでは補正できないようです。反面、AESの長所として画面端でもズレ幅が変わらないです。正確なペン入れをしたい場合は画像を拡大して見やすい角度に回転させるのが良いと思います。

追従速度はそんなに悪くないと思います。
特に補正を切ると速くなります。補正があると、その補正の方式や強度設定に応じて追従が遅くなります。

私自身はこれで結構満足ですが、不満がある方もいると思います。
ガチで描きたいならipad Pro+Apple pencil、次点でギャラクシーノート、その次がHUAWEI MediaPad M5 Proかcore i3以上のWinタブあたりかな、と思います。(MediaPad M5 lite(安い方)の書き味は本機と比較して格別勝るわけではない、むしろ個人的には本機の方が良いとの声が出ています。よって選ぶならProの方が良いと予想します)
追従性については、いずれ動画をアップしたい所です。

ペンについて02

階調は1024、筆圧は「軽く撫でる程度」~「そんなに強く押し付けない程度」で割といい感じに出ます。本機に予め貼られている光沢フィルムは多少の抵抗感もあり、書き味はいい感じです。が、指紋が割とこびりついて拭くのに苦労するので下記を購入しました。
メディアカバーマーケット【専用】CUBE Free Young X7機種用【強化ガラス同等の硬度9H ブルーライトカット 反射防止 液晶保護 フィルム】

これはこれで「ペン先が削れる」「妙に分厚い」など多少の問題があるのですが、ひとまず指紋がそんなに付かなくなってよかったです。ちなみにPDA工房さんのフィルムを買わなかったのは、PDA工房さんの「アンチグレア」が実際にはハーフグレアだからです。しかし、もしかしたら後日PDA工房さんのフィルムに貼り換えるかも知れません。現状だと微かに削れたペン先が絵を描いている時に画面の邪魔になって来る感じなので。(フィルムの方は拭けば無傷。ペン先が減るのと微細な削りカスが邪魔なのが問題)

ちなみにペン先はintuosのもの(クビレがない真っ直ぐな棒)が使えそうな気がします。いずれ交換したらレポートします。

パームレスト機能は高さ9mm。この高さだと接地時の構えにコツが必要です。

ペンの構え方

ペンの構え方の例。小指や薬指がペン先と同じくらいの高さになるように注意が必要

後述のように一部ホバーカーソルをサポートしたアプリもあります。

最後に一つ不具合を書きます。
本機は筆圧と同時に指圧も上がる仕様になっています。それ故アプリが筆圧に対応していても上手く筆圧が作動しない、または動作に不具合があるアプリもあります。(しかしそれでも「指圧」しか上がらないハードよりはマシ)

各アプリ概説

以下は筆圧に対応しているアプリの一例です。

Markers

手っ取り早く筆圧体験したいならこれです。
オープンソースのアプリらしく、似たUIのアプリが他にもあります。
凝った事は出来ませんが字を書くと楽しいです。

Markers

手軽に筆圧体験 Markers
infinite painter

これが一番のお気に入りです。
下地の紙質や色を変更して油絵や水彩などをシミュレートした筆でザクザク塗っていくと楽しいです。「絵の完成度」だとか「商用の絵を描く」(締め切り)とか、そういう事は忘れ、ただ童心に返り無心にぬりぬりするのが最高に楽しいです。インターフェースがシンプルなのもいいです。メインインターフェースはデフォルトでは画面中央上部にありますが、長押しで移動可能。私は右に寄せて使っています。

 

infinite Painter

infinite Painter 色の滲みや色同士の混色もサポートしているラブリーなアプリ

ラインの補完ホバーカーソル表示もあります。
ペン選択ウィンドウの右上の設定マークから下記の詳細設定を行う事ができます。
・ラインの補完は一番左の「ストローク」タブの「滑らかに」で変更可能
・ホバーカーソルの表示は一番右の「設定」タブの「カーソル」で表示切替

Playストアのレビューでは若干動作が不安定との事ですが、アンドゥの形態とも関係があるのかも知れません。デフォルトだと時間を巻き戻す事ができます。通常のアンドゥのように一動作単位で戻す事も可能です。もしかしたら通常のアンドゥに切り替えると動作が安定するのかも知れません。

最後になりましたが、機能的には「全部入り」タイプであり、おそらくガチれば普通に仕事で使える絵が描けます。

infinite Design

コイツはゴキゲンなアプリです。
上記と同じ開発元の、似た操作性のアプリですが、こちらはベクターベースのドローソフトです。サクッとイラストを描くにはこちらの方が向いているかも知れません。

ArtFlow

ペンや鉛筆のストロークを描くならこれが一番クイックで手に馴染む感じです。
補完機能がやけに凝っています。指圧を筆圧に変換する「筆圧シミュレーション」を搭載している為、Hi9 Plusでは唯一の選択肢。ただ個人的には微妙に着彩の筆のフィーリングが気に入らないです。どうやら混色などはサポートしていない模様。但しこの辺りは個人による好みの差もあると思いますので、是非複数アプリでトーナメントを開催して色々なアプリを使い比べてみてください。

これも「全部入り」タイプでありガチな絵が描けるはずです。

メディバンペイント

漫画を描きたいならこれが一番の選択肢かも知れません。
通常のペンは割と本物のGペンと似た感じで入りや抜きが出ます。ホバーカーソルが表示されるので、ガチなペン入れがやり易いかも知れません。塗りは混色が可能です。但しデフォルトだと筆が少ないので油彩や水彩的なフィーリングを楽しみたいなら筆を新規作成するか他のソフトを使った方が良いかも知れません。

Layer Paint

使える機能的にはメディバンと似ています。
メディバンと比較して画像が回転できないのでガチでペン入れする時に不便ですが、UI的にはこちらの方が使い易くて好みだ、という声を散見します。

HDは一見ゴチャついていますが、左上の二つのボタンで色や筆などのパレットを閉じられます。右手にペン、左の親指は画面右上に待機、という感じで結構楽に描いてゆける感じです。

HDではない方は、HDやZeroとはアルゴリズムが異なりホバーカーソルが表示されるとの事です。

非対応アプリについて

Autodesk SketchBookとAdobe PhotoshopSketch、Adobe Illustrator Drawは無理でした。残念。

ブラウザについて

熟練のandroid使いならご存知かと思いますが大抵の機種は最初の数日、ブラウザのスクロールがモタついたり、電池の減りが早かったりしますね。(おそらく各アプリの最適化や基幹ソフトの更新処理などが原因)特にミドルスペック以下だと顕著ですが、それは本機も同様です。以下はそれが済んだ後の話です。

本機は指でのブラウザ画面のスクロールが若干遅いです。スクロールが始まった後は問題ないです。滑り出しが若干もたつく感じです。(何故かペンでスクロールすると反応がクイックです)

例えばアマゾンのメインページ、またはgoogle検索で「ガンダム」で表示される検索結果(yahoo検索の「ガンダム」ではない)などは重いので分かり易いです。

それを踏まえ、今回は久々にUC Browserを導入してみました。

UC Browserとは?

元はインド製でインドではメジャーなブラウザ。
日本語への翻訳機能がないなど不便な面はあるが、スクロールが妙に早くて滑らかなのが一番の長所。

翻訳機能がない点については「ブラウザに共有」または「OpenInBrowser」を使いChromeと共有する事で補います。

この機会にご紹介しておきますと、いま最もお薦めしたいのはXBrowserです。全部入りでプログラムサイズも小さく動作も軽快です。しかし本機ではこのXBrowserですら微妙にモタつきを感じたので久々にUCBrowserにしてみました。結果としては結構いい感じです。

CHUWI Hi9 Plusについて

とりあえず売却または返品せずにクローゼットに仕舞ってあります。結局中華タブのandroid7.0以降は軒並み筆圧にうまく対応できていないようです。

しかし本機は今年(2019年)の夏ごろにandroid9にバージョンアップする予定だそうなので、もしかしたらその頃にはドライバが改善されているかも知れません。

線のガタガタぶりや追従性についてはスペックが倍の本機の方がFree Young x7よりも良い具合なので、ドライバが改善されたらいいな、と微かに期待しています。